創立1周年記念シンポジウム開催

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特別非営利活動法人仁心会創立1周年記念シンポジウム(テーマ:日中における養老と介護~健康長寿の社会を目指して)は4月23日に東京の日中友好館会館で開催されました。中国駐日本大使館王軍総領事、日中友好会館武田勝年理事長が臨席して挨拶を行いました。

お二人からは、医療健康分野は国民生活に深く関わる分野で、仁心会が架け橋となって両国国民の健康や福祉に資するよう期待を寄せられました。日中間で介護や福祉関連業界の関係者100人以上が参加しました。

日本は超高齢社会に突入し、同時に少子化と社会保障費増大にも直面しています。現在、日本の高齢者比率は25%を超え、現役世代2.3人が高齢者1人を支えることになり、国の医療費が40兆円に上っています。一方、中国でも高齢化が急速に進行しています。中国政府が公表したデータによれば、現在1人の高齢者を3.04人の現役世代が支える構図になっていますが、2020年には2.94人、さらに2050年には1.3人に下がり、その時の60才以上人口比率は40%近くに達すると予想されています。今後数十年、中国の高齢化問題はますます深刻化するでしょう。高齢社会への対応は日中両国が取り組むべき重要な課題と言わざるを得ません。

シンポジウムでは、東北大学脳専門家の瀧靖之教授、厚生労働省の羽野嘉明氏、特別養護老人ホーム元気村グループの神成裕介理事長、そして日本アジア投資株式会社本江思帆氏の4人がそれぞれの専門分野で講演を行いました。16万人の脳画像を見てきた脳画像研究第一人者である瀧靖之教授は、わかりやすい言葉で脳の発育から老化へのプロセスを説明し、脳の委縮を遅らせるための具体的なアドバイスを提示してくれました。厚生労働省保健局の羽野氏は、日本の介護保険制度設立の歴史や現状、そして今直面している課題などを紹介した上で、模索中の中国介護保険制度の設計についても提言してくれました。本江女史と神成理事長はそれぞれ中国と日本の介護産業の現場の状況について説明してくれました。その後、日中で健康長寿社会の構築をめぐってパネルディスカッションが行われ、会場からの質問も相次ぎ、活発な議論が行われました。参加者は、高齢社会への対応は日中両国にとって急務であり、そのためには政府、研究機関、企業の3者が協力し合い、資金、研究成果の商品化、効率化など様々な面で取り組むべきとの認識で一致しました。そしてなによりも、両国民の健康と幸福のために、各レベルでの交流と相互理解を深める必要があるとのことでも一致しました。

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